さかなたちとの雑記帳 Aquarium photograph

目次


写真・文:森岡 篤

1967年三重県生まれ。
プロカメラマンとして数々の観賞魚関連雑誌に写真を提供、水中のワンシーンを切り取ってきたかのような美しいカットには定評がある。
なかでも中南米やアフリカのシクリッドなどに詳しく、レポートも寄稿している。当社でも水槽のレイアウト写真からイメージカットまで多数依頼、本連載ではその高い撮影技術により普段見逃しがちな熱帯魚をはじめとした観賞魚の美しさに迫っていきます。

第32回 「梵天メダカ」

今回は梵天メダカのご紹介です。
ぱっと見た感じは幹之メダカのようですが、発光部分が頭部周辺にしか現れないちょっと珍しいメダカです。

梵天メダカ

上見の容器での飼育はもちろんのこと、ふつうのガラス水槽でもそのかわいらしい姿を楽しむことができます。

梵天メダカ

梵天メダカ

近年メダカは魅力的な改良品種が数多く作出されており、鑑賞だけではなく繁殖も楽しむことができるなどいろいろな楽しみ方ができるのが魅力的ですね。
皆さんもコレクション・繁殖、その先にある新品種の作出にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。


写真・原文 森岡 篤
テキスト 水作㈱企画部

第31回 「黒いメダカ ”オロチ”」

黒いメダカのクオリティが凄いです、お腹の白いところまで黒くなってかっこいい。
特に黒い個体を選んでみると2匹ともメスでした。

黒いメダカ ”オロチ”

自宅の水槽に入れて、次の日に浮きエサをこっそりと食べに来ました。
神経質なところがあるようですが、意外としっかり食べてるんです。

黒いメダカ ”オロチ”

真っ黒なオロチを黒の中に浮かび上がらせるスポットライトでかっこよく撮影してみました。


写真・文 : 森岡 篤

第30回 「三色ダルマめだか」

三色ダルマめだかを撮影しました。まだ若い個体のためショートボディの丸い体型で、ちょこちょことぎこちなく泳いでいます。

三色ダルマめだか

水槽の中に入れてみると、体を寄せ合うように3匹が一緒になって泳ぎ出しました。
1匹が泳ぎから外れると、他の2匹が追いかけるようにしてまた集まります。
1匹が離れたのちに3匹が集まった瞬間が、絶好のシャッターチャンスです。

三色ダルマめだか

三色ダルマめだか

若い三色ダルマめだかは、真っ正面から見てもぽっこりした背中やお腹を見ても楽しめます。


写真・文 : 森岡 篤

第28回 「カラフルなグッピーMix」

カラフルなミックスグッピー

熱帯魚ショップでは安価に販売されている場合が多いミックスグッピーですが赤いフラミンゴや青いタキシードなどそれぞれ品種別に生産されていてしっかりと系統は守られています。

カラフルなミックスグッピー

カラフルなミックスグッピー

そのくっきりとした色彩はとても美しく青・赤・黄などのグッピーたちを一つの水槽に泳がせると他のどんな熱帯魚よりもカラフルで派手な水景が出来上がります。

その大きな尾ヒレをフリフリとさせて泳ぐ姿もとてもかわいらしく、眺めていると時間が経つのを忘れてしまいそうです。


写真・文 : 森岡 篤

第29回 「タイガーロータスの葉っぱ」

タイガーロータスの葉

タイガーロータスの葉が大きく育ってきました。
45cm水槽には邪魔なくらいですが、魚たちが泳ぐ空間には最適な大きさです。今回はブルーネオンを20匹水槽に入れてみました。

タイガーロータスの葉

ブルーネオン

最初はタイガーロータスの毒々しい色合いに驚いて警戒しているようでしたが、慣れてくると群れを作って葉の下を泳ぐようになりました。見ていても気持ちのいい瞬間です。
さらに慣れてくると群れさえ形成しなくなりましたが、独特な葉っぱの模様は不思議な写真にしてくれました。


写真・文 : 森岡 篤

第27回 「笑う熱帯魚Ⅱ」

少し遅れましたが、あけましておめでとうございます。

ショップでは熱帯のドジョウの仲間が販売されています。ドジョウを探して購入する人は少ないでしょうが、選んだ魚がドジョウの仲間だったってことはあります。
クラウンローチ(No,1・No,11)やクーリーローチ(No,05)はよく見かけるドジョウの仲間です。色や形、愛嬌のある仕草は、どこのショップでも見かける人気種です。

笑う熱帯魚Ⅱ

しかしよく見かけるクーリーローチが、正面からみるとこんなにユニークな髭面なんて案外知られていません。

笑う熱帯魚Ⅱ

笑う熱帯魚Ⅱ

実際、人間の髭とは異なるものですが、ドジョウ髭という髭の名前が付くくらい特徴的なものです。
サルバトールダリの様な髭の形をドジョウ髭というそうです。
正面からみたダリ顔のドジョウ達を集めてみました。とっても癒されますよ。

笑う門には福来たる。

今年もよろしくお願いいたします。


写真・文 : 森岡 篤

第26回 「バンブルビー・フィッシュのかわいさとのギャップ」

バンブルビー・フィッシュ

バンブルビー・フィッシュの体の色は、黄色と黒のボーダーになっていて、まるでミツバチのようでとてもかわいいです。
水草の葉っぱにちょこんと乗って休むときは、小さな腹ビレが活躍します。普段は腹ビレより少し大きな胸ビレを動かして、すいーっと優雅に泳ぐようです。
バンブルビー・フィッシュの姿はどこをとってもかわいらしいのですが、唯一、大きな「への字口」が頑固そうに見え、全身のかわいらしさとのギャップを感じてしまいます。

バンブルビー・フィッシュ

バンブルビー・フィッシュ

自然のバンブルビー・フィッシュは、汽水域(淡水と海水の混じり合う場所)に生息しています。実際に長く飼育するためには、写真撮影に使用したような淡水の水草水槽は合わないかもしれません。

バンブルビー・フィッシュ


写真・文 : 森岡 篤

第25回 「スマホを使ったアクアリウム撮影術」

スマホを使ったアクアリウム撮影術

スマートフォンで「さかなたちの雑記帳」的イメージ写真の撮り方

水槽の中を撮影するのは、難しいですが映像に出来れば面白いものが沢山あります。
『さかなたちの雑記帳』で撮影している、イメージ写真の撮り方をよく尋ねられます。フォトショップなどの画像ソフトを使っているから何でも出来ると思われることもありますが、基本的には魚たちの面白いポーズや表情を撮影しないといい写真にはならず、それを狙って撮影するのがまた苦労するところで、更に楽しいところでもあります。今回は誰もが持っているスマートフォンでの撮影にチャレンジしてみました。 ぜひ観察力を働かせて面白かわいいイメージ写真にチャレンジしてみましょう。

スマホを使ったアクアリウム撮影術

スマホを使ったアクアリウム撮影術

水槽の中のマクロの世界

画像は誰もが知っていて、自分でも撮影出来たら嬉しくなる写真をと考え、虫眼鏡でのぞかないと見えないような小さな世界をスマホで撮影出来たらと思い、水草の気泡を撮ることにしました。とても小さな被写体なのでカメラ機能でクローズアップにしても画面いっぱいまで近寄ることは出来ませんので、今回は市販の交換用レンズのマクロレンズ(安価なもので可)を付け更にアップで撮影します。

スマホを使ったアクアリウム撮影術

マクロ撮影はピント、手ブレによる失敗が起こりやすくなる撮影なので、普段の撮影のときより十分にそのことに注意して撮影しましょう。
マクロレンズを取り付けるとピントの合う範囲は極端に短く、レンズから2~3㎝くらいが撮影出来る場所になります。水槽のガラスにレンズをぴったりくっつければ、手ブレ防止になり、逆にそこからピントが合う範囲の被写体を探すことになります。

スマホを使ったアクアリウム撮影術

撮影で大事なことがもう一つあります。それは水槽内の光をなるべく明るくしておくことです。
これもピントのブレを防止し、画像を鮮明に見せる効果があります。人の目には明るく見えていてもカメラの機能はそれほど明るく感じずに画像を荒くしてしまったり、スローシャッターで光を集めようとしてしまいます。なるべく多くの光を水槽に集めてカメラがスムーズに撮影出来るように環境を作りましょう。

スマホを使ったアクアリウム撮影術

撮影した画像をもとに色調を整えて、画像ソフトを使って泡っぽい演出に文字を乗っければ何となく、「さかなたちの雑記帳」の水槽写真のような絵に仕上がります。
皆さんも一度試してみて下さい。

スマホを使ったアクアリウム撮影術


写真・文 : 森岡 篤

第24回 「夏のカラーラージグラス」

夏になると涼しげな金魚に魅了されますが、カラーラージグラスの透明でカラフルな色彩にも抜群の清涼感を感じられます。

カラーラージグラス

撮影のために設置されたカラーラージグラスの水槽。無機質な空間に慣れるまで少し時間が掛かりましたが、群れて泳ぐ姿はまるでガラス細工の飾り物のようです。

カラーラージグラス

この魚は人工的に着色されているため、敬遠する人も少なくありません。それでも長い年月にわたって親しまれている、人気の高いポピュラー種であることは間違いありません。

カラーラージグラス

一か月もすると着色された蛍光色が徐々にぬけていきますが、健康には影響がなく、エサをよく食べる丈夫な熱帯魚です。


写真・文 : 森岡 篤

第23回 「ダルメシアン・バルーンモーリー」

品種改良によって色々な柄のバルーンモーリーが誕生しています。
どれも個性的でかわいらしくなった一方で、共通しているのはおちょぼ口。チュバチュバとした動きが特徴です。

ダルメシアン・バルーンモーリー

水槽をのぞき込んでみると、バルーンモーリーが相変わらずのチュバチュバした動きをしながら、僕のほうに寄ってきました。
とてもかわいい仕草だったので、バルーンモーリーが押し寄せてくるイメージを写真にしてみました。なんとも圧巻です!

ダルメシアン・バルーンモーリー

ショップなどでバルーンモーリーを見かけたら、じっくりと観察してみてください。近寄ってくる時の口元は、きっとチュバチュバしていますよ。

ダルメシアン・バルーンモーリー


写真・文 : 森岡 篤

第22回 「フラワーホーン」

撮影が夜中まで続いています。
パソコン作業をしながら隣を見ると撮影前のフラワーホーンがこっちを見ていました。 人懐こいところが彼らの特徴のひとつです。

フラワーホーン

慣れているのか、いつでもお腹を減らしているのか微妙なところですが激しく主張するところはシクリットの仲間にみられる行動です。

フラワーホーン

ぼくが疲れて半分眠った状態で水槽に顔をくっつけて見ると、近寄ってきて水槽の中から僕の顔にあるホクロを食べようとしていました。

フラワーホーン


写真・文 : 森岡 篤

第21回 「コリドラス・パンダの幼魚」

ショップでよく見かけるコリドラス・パンダは、体長2cm程度のかわいい個体です。
生まれてからまだ3~4ヶ月くらいでしょうか?
ちっちゃくても目の周りが黒くなっていて、はっきりパンダ模様とわかる姿になっています。

コリドラス・パンダの幼魚

本物のパンダじゃなくても、パンダ模様をしている生き物ならかわいい。そう思われがちなのですが、本当の癒されポイントは外見だけでなく、コリドラス特有の愛らしい行動にあるのです。

コリドラスの仲間は水底をちょこちょこと泳ぎます。その中でも体の小さなコリドラス・パンダは群れを作って行列で移動するので、そこがとっても微笑ましいんです。

コリドラス・パンダの幼魚

コリドラス・パンダの幼魚

水草でちょっとした隠れ家を作ってあげると、お行儀よく並んでひと休みしていました。

コリドラス・パンダの幼魚


写真・文 : 森岡 篤

第20回 「姫スイレンと金魚」

姫スイレンと金魚

今年の夏は姫スイレンを大きなガラス製の花瓶に水を張り育てました。

スイレンの苗は水草用のソイルを使い、少し大きな鉢に入れ替え、花瓶にしずめて1週間くらいで沢山の葉が出てきました。ソイルの入った水は栄養分が高く水が緑色に濁るため毎日新しい水で水替えをし、外に出すとスイレン鉢と違い水温が上がり過ぎるため、室内の日当たりがいいとこに置いています。

水が落ちついてきたところで、金魚を入れてみました。
茎の絡み合った隙間を泳ぐ感じがとても気に入りました。慣れてくるとスイレンの葉の隙間からひょいっと顔をのぞかせてエサをねだります。

姫スイレンと金魚

姫スイレンと金魚

姫スイレンと金魚


写真・文 : 森岡 篤

第19回 「コイカラーという和の色 ベタ♀のコイカラー」

通称「鯉ベタ」と呼ばれるベタのコイカラー。「オスよりもメスのほうが鯉に似ていて面白い」という話を聞き、興味深くなってお店に見に行ってみました。

コイカラーという和の色

コイカラーという和の色

コイカラーという和の色

コイカラーという和の色

お店に入荷したばかりの鯉ベタは体の模様がまだはっきりせず、まるでメダカのようでした。入荷してから何日か経って落ち着いてきたメスの個体は、三色の模様がはっきりして小さな鯉のような姿をしていました。

浮き草を浮かべたガラスの器に鯉ベタを入れてみると、水面に口を出してプクッと泡を作り、水中へと潜っていきました。なんとも涼しげなその仕草に、ベタの魅力を感じました。

コイカラーという和の色

コイカラーという和の色


写真・文 : 森岡 篤

第18回 「小さなジャングル水槽」

小さなジャングル水槽

ミニ水槽の中がコケやシダ植物で覆われた、ジャングル水槽を作ってもらいました。
もちろん撮影用に使われる水槽です。ところが、コケやシダ植物を照らす小さなLEDライトの光のほっこりとした具合をかなり気に入ってしまい、撮影に取りかからずかれこれ1週間もデスクの上に置いて眺めています。

小さなジャングル水槽

もうひとつ、このジャングル水槽にはバンパイアクラブと呼ばれる小さなカニが入れられています。このカニは毎日夕方になるとこっそりと巣穴から出てきて、小さなジャングルの中を散策しはじめるのです。
仕事中にカニが活動している気配を感じ取ると、作業の手を止めてシダ植物の隙間からカニの様子をのぞき込むのが楽しみになっています。

コンパクトLEDライトは水中用としても使用できます。
発光部には表と裏があり、向きを間違えて使用すると水槽の外に強い光が向かってしまい、結構まぶしくなります。

小さなジャングル水槽

小さなジャングル水槽

小さなジャングル水槽


写真・文 : 森岡 篤

第17回 「虹色の輝き」

トランスルーセント・グラスキャット

トランスルーセント・グラスキャット

だいぶ前に、水槽で泳ぐトランスルーセント・グラスキャットの体を使って、「虹」を表現して欲しいという撮影依頼がありました。透き通った体が珍しいグラスキャットは、熱帯魚ショップでよく見かける人気の高い熱帯魚です。

トランスルーセント・グラスキャット

グラスキャットの体はパッと見ると透明な色をしていますが、よく観察してみると透明なセロファンを光に当てた時のように、ところどころうっすらと虹色に光って見えます。本当にグラスキャットの体が虹色に見えているのかはわかりませんが、撮影する際にいろいろと試行錯誤してみました。

トランスルーセント・グラスキャット

水槽の斜めうしろから微調整したストロボの光を当てると、グラスキャットの体に虹色の光が浮かび上がることがわかりました。
8年前の撮影依頼の時には虹を上手く撮影することはできませんでしたが、依頼者の発想力にはいまだに驚かされるばかりです。
※グラスキャットの体の色に写真加工は加えていません。


写真・文 : 森岡 篤

第16回 「無表情な魚たち」

サジタリアの隙間をぬって泳ぐカージナルテトラ。

無表情な魚たち

水槽の新作撮影。水を張った水槽にカージナルテトラを入れてみましたが、なんだか落ち着かない様子で水草の陰から出てきません。ちょっと近寄っただけでも敏感に察知して、サッと方向を変えてしまい、なかなか撮影させてもらえません。カージナルテトラが見慣れない環境に緊張しているようです。小さな魚のわずかな感情でも、群でいると全体の行動に表れ、それが手に取るようにわかります。

無表情な魚たち

爽やかなイメージで撮影したのですが、写真にしてみるとなんだか無表情でこちらを見ているように思えて、ちょっと笑ってしまいました。
観賞魚の写真は目に注目されがちですが、魚の感情表現はヒレに表れることが多く、怒った時にはヒレを大きく広げたり、病気や元気のない時はヒレをすぼめてしゅんとしたりします。
ワンちゃん好きが尻尾で感情がわかるように、経験豊富なアクアリストは体の変化で魚の気持ちをくみ取るそうです。取材に行った時にそんな不思議な話をよく聞かされます。


写真・文 : 森岡 篤

第15回 「ベタの撮影」

ベタの撮影

ベタがスタジオに数多く集まりました。
写真撮影の為に色とりどりのベタを揃えてもらったのですが、ダンボやコイカラーなど最近流行りの種類も混ざっていました。これだけの数のベタが集まると、自分のものではないのにも関わらず、コレクションしている気分になって撮影のテンションが上がります。

ベタの撮影

撮影本番の前に、ビンに入ったベタ同士を引き合わせてフレアリングさせ、1匹ずつ体を確認します。元気な個体か、ヒレは切れていないかなどをチェックするのですが、ハーフムーンのヒレを確認した時の事です。ヒレの大きな個体がヒレを全開にすると、その主張の強さに思わず「おぉ~…!キレイ」と声を出し、撮影前のデモンストレーションなのに一人で驚いてしまいました。

今回あまりにも綺麗なベタと出会えて、イメージ用に1カット撮影させてもらいました。

ベタの撮影


写真・文 : 森岡 篤

第14回 「小さな魚達の観察」

小さな魚達の観察

バタフライレインボー・アルーⅣは体調2~3㎝ほどの小さなメダカの様な熱帯魚ですが、その特徴はオス同士のヒレを広げた威嚇行動です。
繁殖期、縄張り争いなどでオス同士がより体を大きく見せるためにヒレをいっぱいに広げ相手を威嚇する行為は他の魚にもよく見られますが、このバタフライレインボーは特にそのヒレを広げた姿は美しく、激しくいがみ合い戦っているというよりも、水草の中で蝶のごとく優雅に舞っているかのように見えます。

小さな魚達の観察

熱帯魚店ではあまり見かけないレアな熱帯魚ではありますが、バタフライレインボーの仲間は他にもポピュラーな種もあり、様々な色や形を楽しめるのでお店に足を運んで探してみてはいかがでしょうか?


写真・文 : 森岡 篤

第13回 「ロタラの林」

ロタラの林

ロタラの仲間はどこでも見かけるポピュラーな水草です。ロタラは丈夫で成長も早く、特徴は丈が長く成長することです。深さのある水槽でもトリミングしないと水面まで伸びて更に横に広がって伸びていきます。

ロタラの林

田植えの様に水槽に間隔を空けて一本づつ植えていくと生い茂るロタラの林が出来ました。水槽の中ではメタエの群れが気持ち良さげに隙間をぬって泳いでいます。ロタラの林が外敵から身を隠す場所の様で、落ち着くのかも知れません。 林の隙間から見えるメタエの赤い目が印象的でした。

ロタラの林

今回の撮影ポイント

~前ボケを使った奥行き感~

ロタラの林を表現するのに使っているのが前ボケの技です。
背景は望遠レンズを使うと自然にボケて行きますが魚よりも手前にピントが合ってない空間を作ってあげます。
本当に茂っている中を撮影しても林の中を群れる魚たちはロタラが邪魔をして上手く撮影出来ません。魚とレンズの間にはロタラを邪魔しないところに4~5本配置して魚の来るのを待ちます。手前で映ったロタラは前ボケして、いい感じで奥行き感をだしてくれます。

ロタラの林

魚たちを可愛く撮るために水草を手前でぼかして色をにじませてもいいですね。注意点は前ボケが被写体に被り過ぎると鮮明さを無くします。コツは被写体から水草を離して望遠系のレンズで撮影することです。(マクロレンズ100㎜使用)


写真・文 : 森岡 篤

第12回 「夏は金魚で涼む」

琉金

冷房が効いた床屋さんの店先に金魚のいる水槽がある。長年、そこで飼われている大きな流金は長く美しい尾ビレを優雅に振りながら泳いでいる。一方、まだ若い流金は対照的に短い尾ビレをちょこちょこと振りながら忙しなく泳いでいる。

メダカの卵

メダカの卵

メダカの卵

労力に伴っていない推進スピードは、気の毒でもあるが短い尾ビレを振るたびに、よちよち歩きの赤ちゃんがおしりをフリフリして歩いている姿にも似て愛嬌たっぷりだ。
泳ぎ方はそれぞれだが、その姿は見るからに涼しげで外の暑さを忘れてしまう。この夏まだプールにすら行けていない自分だが、この金魚たちを眺めながら少しだけ水中遊泳の気分を味あわせてもらった。

今回の撮影ポイント

色の美しい金魚を可愛くとるためのコツ

~ピントを浅くする!~

ピントは合わせるだけでなく、ピントの合う範囲をある程度調整することができる。一眼レフカメラではマニュアル操作で被写界深度※「f値」(カメラ説明書参照)を調整できる。かわいい金魚を表現するため今回の写真Aは被写界深度をもっとも浅くした。そうすることにより、目の部分だけにピントが合い体の鱗やヒレはぼやけて、色がにじんだ絵のような柔らかな表現が出来る。逆に図鑑用の個体写真などのように細部までディテールがわかるように撮影するなら深くするのがいい。(比較例写真B)

メダカの卵
写真A クリックで拡大

メダカの卵
写真B クリックで拡大

※被写界深度(ひしゃかいしんど)とは、写真の焦点が合っているように見える被写体側の距離の範囲のこと。


写真・文 : 森岡 篤

第11回 「マクロな世界 〜メダカの卵〜」

メダカの卵

メダカの卵は産み付けられてからおよそ9日間でふ化します。水槽でもその様子を観察することができ、メダカを飼う楽しみのひとつです。
通常は浮草の根や水草などに産みつけますが、そのままにしておくと他の魚に食べられてしまいます。卵の段階で他の場所に隔離すると生存率もグッと上がります。

別の水槽に隔離した卵をマクロ機能の付いたカメラやレンズを使うと小さな卵の様子を撮影することができます。
ふ化直前の卵の中では稚魚がグルングルンと動き回っているのですが、じっと待っているとピントがあう瞬間が訪れます。透明でまんまるの殻の中で、今にも外へ飛び出しそうなメダカの姿をカメラに収めることができました。
身近なメダカの卵。とても小さなこの姿に、壮大な生命の神秘を感じます。

メダカの卵

メダカの卵


写真・文 : 森岡 篤

第10回 「ブラインドケープカラシン」

エンゼルフィッシュ

最近休日になると熱帯魚店をハシゴしたりします。
特に何かを探し物を決めるわけでもなく複数のお店を見て回り、近所に美味しいラーメン屋さんでもあればそのお店はお昼時に訪れるコースに組み入れたりします。
こんな自分でもたまたま訪れたお店で一目見てドキドキする熱帯魚に巡り合うことがままあります。

今回はとあるお店の一番下の水槽でひっそりと泳いでいたブラインドケープカラシンに心奪われてしまいました。

ミニマッシュルーム

この熱帯魚はポストフィッシュやヨツメウオ(!)などとおなじ昭和の香りを感じさせるレトロ感あふれる熱帯魚で最近では販売しているお店もめっきり少なくなりました。
光が全く届かない洞窟に住み目が退化してしまったこの熱帯魚は薄暗い水槽のなかでも上手に泳ぎ回りエサを食べていきます。

ミニマッシュルーム

また他の熱帯魚にはないギラギラと光る様はとても美しく見とれてしまいます。
ライトを消した水槽で夜、懐中電灯での観察することをおすすめします。


写真・文 : 森岡 篤

第9回 「子煩悩な魚~エンゼルフィッシュ」

エンゼルフィッシュ

エンゼルフィッシュの子供が生まれました。
泳ぎだして間もない子供たちは親のまわりをまとわりつくように泳ぎ、群れを作ります。親からはぐれた小さな幼魚は他の魚から捕食の対象になってしまうので、親魚はすかさず口の中へいれて、群れへと戻します。

昼夜をとわず、かたときも子供たちから目を離さず、そうやって甲斐甲斐しく世話をし続けている親魚の姿は、感動的ですらあります。

ミニマッシュルーム

魚の多くは卵を産んで、その後も世話をすることはありません。この貴重な子育て姿を観察できることが、エンゼルフィッシュを水槽で飼う楽しみのひとつにあげられます。
しかし、その間は実に短く、あっという間に子離れさせなければならない日がやってきます。昨日の親は今日の敵。可哀そうですが、自然界で生き抜くための厳しい試練なのですね。


写真・文 : 森岡 篤

第8回 「ちいさな水草レイアウト」

ミニマッシュルーム

今回のメインとなるミニマッシュルームはショップでもよく見かける人気の高い水草でまるでカイワレダイコンのようでかわいらしい水草です。

ミニマッシュルームを一本づつピンセットで植栽し、リシアと絡ませたなかに全長2㎝程度のグリーンネオンテトラを泳がせることにより、ミニチュアサイズの水草レイアウトが完成しました。この水槽の写真を撮るのに重要なことはちいささを感じさせないように、覗き込むようにして撮影することです。俯瞰で見るのではなく、覗き込むような視点からはちいさいながらも迫力のある水景が見えてきます。
わずか10×20㎝のスペースをちいさなグリーンネオンがマッシュルームの傘の下を泳いだり、巻貝がゆっくりと登ってきたりするのが観察できます。単純な風景でありながらこうして写真にしてみると意外と迫力があっておもしろいものです。

ミニマッシュルーム

ミニマッシュルーム

そのほかにもミニマッシュルームの周囲を泳いだりや水底を泳いだり跳ねたりする習性の観賞魚のものを探してみるのも楽しいかもしれません。
また夜間にはLEDのスポットライトで照らしたりするのも全く違った水景を楽しむことが出来るでしょう。


写真・文 : 森岡 篤

第7回 「クロちゃん」

クロデメキン

誰もが知っているポピュラーな金魚といえば、和金、流金、出目金となるでしょうか。中でも、金魚すくいでよく見る金魚が“和金”という名前だと知っている人より、“出目金(デメキン)”の名前を知っている人の方が多いのではないでしょうか?この特徴のつぶらな瞳は一度見たら忘れられません。あまりに可愛いので、その体の色へも親しみをこめて名前をつけてみました。

クロデメキン

水槽を軽くトントンと叩く。それはエサの合図で、それまでボーっとしていたのに、条件反射で口をパクパク、ヒレをフリフリさせてやってくるその姿は本当に癒されます。 シャッターチャンスは、正面からの角度が一番その愛嬌ある形が浮き出て、更に口を開けていれば表情豊かになる貴重な一瞬です。その瞬間をレンズに収めるために、水槽に近づき、さっきつけた名前をひたすら呼び続けました「クロちゃん!」 あえて黒バックにし、クロデメキンのエッジを浮き出たせて撮影したスタイリッシュな1シーンも、どこか愛嬌があって可愛いですね。


写真・文 : 森岡 篤

第6回 「ジャンプする熱帯魚」

ハチェットフィッシュ

南米に生息する一風変わったかたちの熱帯魚、ハチェットフィッシュの飼育上の注意点として必ず上げられるのが「水槽には必ずフタをしましょう」との文句です。

もちろんジャンプする性質ゆえの注意なのですがこのジャンプ、よくよく観察してみるととても美しいのです。

高速シャッターで撮影をしてみると水しぶきを上げてきれいにジャンプしている様子が分かります。
水槽内で数匹がまとまってジャンプをするとまるでシンクロナイトスイミングのように芸術的に見えます。

ハチェットフィッシュ

ハチェットフィッシュ

また自然下では大型魚に追われると何千匹もの群れが一斉に舞い上がるそうで、とても壮観な景色を見ることができるそうです。

ハチェットフィッシュ

ハチェットフィッシュの仲間には数種類いますがその中でもマーサハチェットと呼ばれる種類は人気があります。わずか2~3㎝のちいさな魚たちが群れをつくり漂うように水面を泳ぐ様子、朝起きた時に水槽のライトを点灯すると水草の間に隠れていたハチェットたちが1匹づつ水面に集まりだす光景には心をくすぐられてしまいます。


写真・文 : 森岡 篤

第5回 「泳ぎの下手な熱帯魚」

今回紹介する熱帯魚の特長的な泳ぎ方に惹かれたのはあるショップの水槽をなんとなく見ていた時のことです。魚のくせに羽ばたいているように見えるので良く観察してみると、その丸々とした体型に不釣り合いな大きなムナビレを必死に動かして泳いでいる姿が鳥のように見えるのです。その姿は本人?には申し訳ないが大変滑稽に感じました。

バルーンモーリー

アマゾンソードプラントを水槽のなかが見えなくなるくらいにいっぱいに植え込んで、水流を止めて水草が生い茂ったなかのバルーンモーリーの様子をカメラを構えたままじっと観察します。そうするとあたかも自然にできたけもの道のような水草の葉と葉のすき間からあの滑稽で愛らしい姿で競い合うかのようにレンズをめがけて突進してきました。

バルーンモーリー

少々?バランスの悪い愛きょうたっぷりの姿で不器用に泳ぐ姿がこの熱帯魚が登場してからまたたく間に人気者になった理由の一つに挙げられるでしょう。


写真・文 : 森岡 篤

第4回 「アイコンタクト」

チョウテンガン

生き物を飼育していると何となく目があった時、その生き物と意思が通じたような感じになることがあります。もっとも観賞魚の場合は『エサをくれ』くらいしか相手側は思っていないようですが、それもまたかわいいものです。
今回紹介しますチョウテンガン(頂天眼)という金魚はその不思議な形態からアイコンタクトにもっとも適した?観賞魚といえるとおもいます。

チョウテンガン

そのデフォルメされたような大きな目は水面に向かって突き出しており、写真をみてもらえば分かるように両目でこちらを見ている、といった普通の観賞魚ではありえないかたちをしています。そのため水面近くで目があうとドキッとしてしまうことがあります。エサをねだって水面に顔をだしたときなどはシャッターチャンスで上手にピントがあえばちょっとブサイク(失礼!)でかわいい写真がとれるでしょう。

チョウテンガン

また水槽のなかからこちらをじっと見ている時などはこちらが観察されているような妙な気分になります。もちろんチョウテンガンにはそんな気はさらさらなく『エサ・・・』くらいにしか思っていないでしょうが少しだけ人に似ているそんな仕草にもいつのまにか癒されてしまう自分がいたりします。


写真・文 : 森岡 篤

第3回 「テッポウウオの食事」

テッポウウオ

テッポウウオは東南アジアからインド、オーストラリアを中心に広く分布している汽水域に生息する熱帯魚です。一部の種類は沖縄の西表島でも観察することができるようです。あまり熱帯魚に詳しくない、という人でも小さい頃に生き物図鑑などでこの不思議な魚のことは読んだことがあり知っていることも多いのではないでしょうか?

テッポウウオ

テッポウウオはその名のとおり木の枝などに止まっている昆虫などを口からピュッと吹く水の塊で撃ち落として捕食するといった大変珍しい生態をもっています。以前に撮影中じっとのぞきこんで観察していた時に瞬きに反応して水をかけられた時はとてもびっくりした覚えがあります。

テッポウウオ

その的中率はかなりのもので獲物を見つけるとその下にそっと泳ぎこみ、じっくりと観察していることから目が良いとされています。また水を発射するまでの間は横から見ていてもものすごい集中力を感じます。もっとも表情は全くありませんが・・・ 静かな環境で観察していると水を吹き出すたびにチュッ、チュッとちいさな音も聞こえてくるのが分かります。たまに失敗すると何度でもチュッ・チュッと繰り返し、ちょっとあきらめの悪い性格と合わせてかわいく感じられる熱帯魚です。


写真・文 : 森岡 篤

第2回 「熱帯魚が発する光」

アフリカンランプアイ

「眼が光る熱帯魚」として日本に紹介された当時は大変話題になったアフリカンランプアイも養殖技術の発達とともに、とても購入しやすい価格になりました。

この「光る眼」の美しさを最大限に堪能するにはやはり明るい水槽環境よりも少し薄暗くすることがポイントになります。照明を消した部屋の中で、水槽を懐中電灯などで照らすとまるで深海魚のような趣で海中を探検しているような気分になります。

薄暗い水槽の中をのぞくと、今までせわしなく泳いでいたランプアイがゆっくりと目の前へ浮かび上がってきたり、いくら見ていても飽きることがありません。

アフリカンランプアイ

特徴であるブルーのアイシャドウは正面からみると怒っているようにみえたり、少し横を向いていると困ったような表情をしているようにも見えます。

水槽用のライトを前方よりあてるとブルーのアイシャドウが美しく光り輝き、幻想的な雰囲気を醸し出します。


写真・文 : 森岡 篤

第1回 「熱帯魚の赤」

グッピー

先日何気なく立寄ったショップの水槽で赤いグッピーにふと目が留まりました。赤いグッピーはどこのショップでも見かける定番の品種ですが、この個体は体表の何とも言えないきめ細かさがマットな感じでバラのような尾ヒレの赤さをより引き立てています。

また赤い尾ヒレを振って泳ぐ姿はどことなく気品のようなものを感じさせ、一生懸命育てたブリーダーの愛情がにじみ出ているようです。
この美しい赤をより引き立たせるため、今回の撮影ではバックに赤い色の水草を選んで撮影しました。

グッピー

これからの季節、この赤い色は心に癒しを与えてくれることでしょう。普段見逃していたグッピーの美しさを再発見させてくれた個体でした。


写真・文 : 森岡 篤