水作株式会社

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山崎浩二のSmall Beauty World

第83回 コイベタ・カッパー

2022年10月 公開

黒い地色をベースにカッパーと言うよりもシルバーに近い色彩と赤い模様のバランスが絶妙な個体である。最近の派手なキャンディ系を見慣れた眼には地味に見えるかもしれないが、日本人好みの色彩と言えるだろう。

新型コロナウィルスの規制のために2021年は全くタイに渡航できなかった。
30年近くタイに毎年のように取材に通って来たが、全く渡航できなかったのは初めての事である。
まあ、このような事態になることは誰も予想できなかったし、防ぐことも不可能であっただろう。と言うことで、諸々の規制が解除された2022年5月中旬に1年8ヶ月ぶりにタイに渡航して来た。

コイベタの中でもタイガーと呼ばれるブラックとイエローに飾られた魚は以前から人気が高かった。この個体はそこにカッパーの色彩が乗った魅力的な個体である。体高も高くがっちりした体型も見事である。
コイベタとしては最もスタンダードなレッドの地にブラックとカッパーの色彩が乗った個体である。この色彩の微妙なバランス具合で美しさが変わってしまうのは、コイベタの難しいところでもある。

毎年のようにベタの改良の変化などを実際に目にして来た身としては、このブランクは非常に大きく、タイのベタ市場がどのように変化しているのか不安な反面非常に楽しみでもあった。
今の時代はインターネットが普及しているので、容易にそこそこの情報が入手できるは非常に有難い。一昔前のネットが無い時代では、遠く離れた国の趣味の情報を得る事などはほぼ不可能だった。
とは言え、偏ったネットの情報だけを鵜呑みにするのは危険だし、往々にして信用は出来ない。何事も自分の目で見る事が大事だし、一番信用出来る。
ネット情報は参考程度に考えておくのが無難である。

ブラックを基調とした体色にレッドの模様がバランス良く散りばめられ、ヒレのカッパー色もアクセントになっている。少し間違うと汚らしく見えてしまいがちなこの配色なので、好みは分かれるかもしれない。
ブラックの基調色に絶妙な感じで入ったストライプ状のカッパーの模様が魅力的である。腹ビレのレッドも良いアクセントになっている。非常にすっきりとしたイメージの個体で、万人受けしそうな個体である。

成田から渡航し、深夜にバンコクに到着し、ゆっくり移動の疲れを癒した翌日、はやる気持ちを抑えながらチャトチャックのペット売り場へと向かった。
流石にこれだけ長い間足を運んでいないと、至る所に変化がある。馴染みのベタ屋さんの中には移転してしまったり、残念ながら辞めてしまったところも多いようだ。
同じチャトチャックの中で移転しまっているお店の場合は、他店から新しいお店場所を聞き、新しい店の方へと挨拶へと伺った。
その際には水作さんから提供して頂いたカレンダーをプレゼントすると大変喜んでいただけた。

タイガー系のコイベタであるが、上で紹介しているのとはかなり趣の違う系統である。ブラックとカッパーと言うよりもシルバーホワイトな色彩のバランスが美しい。欲を言えば、イエローの色彩がもう少し入ると更に魅力的であろう。

今回タイへ訪問し、自分の知り合いみんなに水作さんのカレンダーをプレゼントしたのだが、どこでも非常に評判が良く嬉しい限りであった。
タイの家庭では、壁に写真やポスターを貼る習慣があるので、ポスター形式のカレンダーは大歓迎だったようである。
話が逸れてしまったが、チャトチャックの通称ソイ・パカットと呼ばれるベタ屋が集まった通りも健在であった。移転してしまったり、閉店してしまった場所には新規の店がオープンしており、また個性的な品揃えで他店との差別化を図っている。
こうした新規のお店と仲良くなるには、まずは魚を頻繁に購入し、顔を覚えて貰う事が大切である。冷やかしだけでは、嫌われるだけである。
いつもニコニコと温厚なタイの人々だが、意外と二面性があるので気を付けたい。

白っぽい基調色にシルバーホワイトのカッパー模様とブラックとレッドが散りばめられた美しい個体である。バランス良く入ったブラックのマーブル模様が一際この魚を魅力的にしている。

久々のベタ屋で、魚を眺めていると、予想以上に置いてある品種の傾向が以前と変化している事に気が付いた。一番は、コイベタやニモやキャンディと呼ばれる魚のカッパー系が増えている事であった。カッパー系と言うのは、以前から見られる品種で、カッパー色(赤銅色)の金属光沢の色彩が特徴である。
2020年9月当時にもコイベタのカッパーは既に作出されて市場には登場していたのだが、日本円にしたら1万円以上の高値が付いていて全く一般的ではなかった。
自分も撮影用のモデルが欲しかったのだが、あまりの高価さに泣く泣く購入を諦めた記憶がある。そのコイベタのカッパーが、桁一つ違う値段で買えるようになっていたのである。

レッドの基調色にかなり多めに入ったカッパー模様が魅力的な個体である。体側に入ったカッパー色の細かい鱗がもう少し多ければギャラクシーと読んでも差し支えないだろう。

コイベタ自体は繁殖も難しくはないので時間の問題とは思っていたが、この1年数ヶ月のブランクの重さを実感させられた。
価格は手ごろになった上に、品種としてのクオリティーは更にアップしていると言う嬉しい状況である。なので、見る個体見る個体モデルに欲しくなってしまったが、焦らずにチャトチャックのベタ屋全体を見渡した後にモデルを購入する事にした。
2022年のバンコクのベタシーン、まずはコイベタのカッパーから紹介する事にしよう。

(水作コラム担当者より)
山崎さんより送られてきた現地のベタショップ風景、販売水槽の上に水作50周年記念で制作したポスターカレンダーが確認できます。

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