前回のコラムではコイベタのカッパーを紹介したので、続いてキャンディ(ニモ)のカッパーを紹介しよう。
コイベタのカッパーは2020年にタイを訪問した際に既に作出され市場で見る事ができた。
その際の飛び抜けた価格の事は前回のコラムでも書かせて頂いた。ただし記憶を辿ってみても、その際にはキャンディのカッパーを見た事は思い出せないというか、たぶん自分は眼にしていないと思う。
2022年現在の市場の様子を見る限りでは、最近になって市場に出てきたとは思えない。
たぶん自分が気が付かなかっただけで、2020年当時には既に作出されていたのだろう。
2020年当時は新型コロナウィルスの規制が始まったばかりで、移動するにも不自由が多く、いつものようにフットワーク軽くファーム訪問も出来なかった。特にお年寄りがいるファームでは来客を断っていたし、こちらもそれを察して訪問を控えていた。
この原稿を書いている2022年9月では、タイの1日の新規感染者は1000人を割っており、完全に終息したかのようである。それに比べて日本の新規感染者の数は相変わらず多くて、何故こんなに差があるのかと不思議に感じてしまう。
とは言え、10月からまたタイを訪問する身としては、日本よりもタイの方が安全なようで複雑な気分である。
話が逸れてしまったが、2022年5月にタイを訪れた際には、キャンディのカッパーはもう完全に普及種になっていて、価格も落ち着いたものであった。
元々コイベタやキャンディと言う品種は個性豊かで、2匹と同じ色模様の魚はいない。そこに更にカッパーの色彩が乗ると更に個性豊かであり、魅力満載である。
ところが、日本の市場での人気を聞いたところ、最近はキャンディは完全に飽きられてしまったようで、売れ行きが良くないそうである。
それは何となく解らないでもないのだが、新品種のカッパーまでが不人気のようなのである。
自分などは久しぶりに訪れたタイで、値段も手頃で目新しいキャンディのカッパーを見て、嬉々としてモデルをセレクトしていたのに、それを聞いて非常に残念な気持ちになってしまった。と言うこともあり、キャンディの魅力を伝えるべく、他の新品種の紹介よりもカッパーの紹介を先にした次第である。チャトチャックのショップなどでは、同じカッパー系統のメスも容易に入手できるようになっている。普通のキャンディに飽きた方々には、一味違ったカッパーの魅力を味わって頂きたい。