水作株式会社

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山崎浩二のSmall Beauty World

第90回 ブルー&ブラック・プラカット“2022”

2023年3月 公開

オス同士で激しく闘争するブルー&ブラックのプラカット。ダークボディに美しく鏤められたブルースポットは非常に美しい。アバターと呼んでも差し支えのないグレードの個体である。色彩だけでなくヒレや体型などのフォルムも美しい。

以前このコラムで2020年にタイで見たブルー&ブラックのプラカットを紹介した。その際の写真のモデルはチャトチャックのあるショップで見つけた個体であった。このショップではかなりグレードの高いブルー&ブラックのプラカットを中心に品揃えをしており、それが気に入って毎週のように購入するうちに店主に顔を覚えて貰い、色々とサービスして貰えるようになっていた。このような関係を築けると、良い個体を優先して回して貰えたりと仕事には非常に役に立つ。ところが2021年は新型コロナウィルスの為に日本からタイへの渡航が難しくなってしまい、30年近く毎年のように訪問していたタイへ行けなくなってしまった。

ブルー&ブラックではなく、シルバー&ブラックのオス個体である。こちらも確実に2020年よりも洗練されている。ハーフムーンの尾ビレや体高のあるボディなどプラカットとしてもハイグレードな個体である。
体側のブラックと各ヒレのブルーとの対比が美しい個体である。腹ビレにわずかに入る赤い色彩が良いアクセントになっている。このような個体は成長に連れて体色は大きく変化するので、楽しみも倍である。

毎年のようにベタの流行を追っていた身としては、非常に残念であったが、こればかりは仕方がない。今の時代ネットと言う便利なものがあるので、タイへ行けなくても多少の情報は見ることが出来たのは幸いであった。2022年の春、様々な規制が緩和されやっと日本からタイへと渡航する事が可能になった。当然のようにバンコクに着いたらすぐにチャトチャックにベタを見に行った。しかし、月日の経過や新型コロナの商売に対しても影響のためか、かなり多くのベタのお店は閉めてしまったり、移転してしまっていた。と言うような状況もあり、また新たに新しいお店を覗き、ニューカラーや自分の好みを個体を探していた。

購入した際は体側のブルーのスポット模様が顕著だったのだが、2週間程で隙間がが埋まってしまった個体である。こうした色彩変化は良い方向に転ぶか悪い方向に転ぶかは神のぞ知るなのである。
体側に入るブルーのスポット模様のバランスも良く美しいオス個体である。腹ビレと尻ビレに入る赤い色彩がこの個体を非常に印象深いものにしている。

お気に入りのブルー&ブラックのプラカットを扱っていたお店も移転したのか、以前の場所にはなくなっていた。寂しく思い新しく出来たショップをいくつか覗いていたら、何となく以前のブルー&ブラックの面影のある魚を扱っているショップを見つけた。その魚を見ていたら、ショップのオーナーの方から自分に話しかけて来てくれた。何と以前に自分が気に入っていたブルー&ブラックのプラカットのお店の方で、自分の事を覚えており声をかけてくれたようだ。お互いの無事を称え再会を喜んだのは言うまでもない。幸い、タイのベタ関係の知人はコロナに感染はしても重症化した方はいなくて、みんな無事だったのは嬉しい限りであった。さて、2022年のタイのベタ市場では、アバターと呼ばれる黒っぽい地色に輝くスポット模様の入る魚が非常に人気が高く、ハイグレードな個体はかなり高価にも関わらず品薄の状況になっていた。

体側に入るブルースポットは少なめだが、そのためブラックの色彩が良く映える。この個体も尻ビレに入る赤い色彩が良いアクセントになっていて美しい。
体側の後半部がやや紫がかったブルーに飾られ、体の前半部のブラックが非常に良く映える。このようにブラックとブルーのバランスは非常に微妙な比率で美しさが決まる。

ブルー&ブラックのプラカットは、元々アバターと呼ばれる品種にかなり似たようなカラーリングであったためか、そちら寄りに品種改良が行われたようである。ダークボディにブルーのスポットが散りばめられた美しい個体が数多く並んでいる様子は壮観であった。そうしたアバターとは別に、ブルーとブラックが美しいバランスになっている個体も数多く並んでおり、1年半のブランクを感じさせられてしまった。2020年に撮影したブルー&ブラックから進化したであろう2022年バージョンのブルー&ブラックの魚はさらに美しさに磨きがかかり素晴らしい魚に仕上がっていたのである。

体側に縞のような感じで入るブルーと、各ヒレに入るブルー&ブラックのバランスが個性的なオス個体である。このような個体も成長に連れての色彩変化は大きい傾向にある。
体側に細かく入るブルースポットが非常に美しいメス個体。ブルー&ブラックと言うよりもアバターと呼んでも差し支えのないハイグレードな個体である。

体側にバランスよく数多くのスポットが鏤められたアバターは別な機会に紹介する事にして、今回は2022年のブルー&ブラックのプラカットを紹介しよう。以前のコラムで紹介した2020年の個体と見比べると非常に興味深い。まだまだベタの色彩の進化は続いているので、数年後にはどんな魚に変化するのであろうか?非常に楽しみである。

体側に良いバランスでブルースポットの入ったメス個体。このような美しいメス個体は、オス個体よりも価格が高い場合も多い。ぜひ繁殖させて、子供の色彩を見てみたい。

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