2018年辺りから人気のコイベタに取って代わるように普及していったニモベタであるが、その強烈な色彩から一時期は人気を博したものの、最近はかなりその人気も落ち着いて来ている。
日本のアクアリウム市場では2022年辺りから動きが鈍くなって来ていると問屋の方々からは聞いている。
その理由は、値段が落ち着いて輸入量が増加し、グレードの低い個体が出回った事もあり、飽きられてしまったのが原因のようだ。
派手で印象深い外見のため、飽きられるのも早かったようである。
本場のタイでは、人気は落ち着いたものの今でも人気は高く、ショップで見かける機会は多い。
とは言え、昔のままの姿では飽きられてしまうため、レモンイエローの色彩が入る個体等、現在でも少しずつ改良は進められているようだ。
高い人気を博したため、ニモベタの色彩を纏った他品種もすぐに登場し、Wテール、ベールテール、フルムーン等を本コラムでも紹介して来た。
プラカットのニモベタが登場した時点で、ハーフムーンのニモベタはすでに作出されていたが、かなり高価だったのと、撮影のモデルにするにはまだグレードが低く感じたので、見て見ぬフリをしていた。
現在ではかなり手頃な値段でハイグレードな個体も入手できるようになっているので、近いうちに本コラムでもニモベタ・ハーフムーンを紹介しよう。
コイベタの際もそうだったのだが、他の品種に比べて市場へのリリースが一番遅いのが、クラウンテールである。
この辺りには理由がありそうなので、今度知り合いのクラウンテール・ブリーダーのところに行った際に、詳しく尋ねてみようと思っている。
2021年は新型コロナウィルスのために、30年近く続いていたタイへの渡航が途切れてしまった。
タイへの渡航を再開した2022年にタイのベタ市場を見ると、少ないながらもニモベタ・クラウンテールの姿があった。
ただし、まだ品種としての完成度は低いのか、クラウンテールのヒレの軟条が乱れていたりバランスが悪い個体が多かった。
しかし、よく魚を観察していれば綺麗なヒレをした個体も選ぶ事が可能であった。
今回ここで紹介するのは、クソ暑い中ショップの水槽に張り付いて選んだモデル個体を撮影したものである。
しかし、タイでも日本でもまだクラウンテールの人気がいまいちなのは非常に残念である。
たくさんのベタ専門店のあるチャトチャックでも、クラウンテールを揃えているショップの数は少ないし、在庫している数も少ないのが現状である。
昨年辺りから、タイではベールテールが復権し、人気が高くなっており、扱っているショップも増えて来ている。
その流れで新色の個体を見かける機会も多くなった。
ぜひクラウンテールもそのような流れになって欲しいものである。
2022年にはニモベタ・クラウンテールの他、ニモベタのクラウンテール・プラカットも登場していたが、まだかなりレアで値段も高価だったので、普及はまだまだであろう。
参考までに今回1個体だけ紹介しておこう。